日本海側の気候と瀬戸内の気候の特徴【季節風と降水量の関係から】
中学校の社会科(地理)では、国名・地名や地形名などを覚えたり、その国や地域の特産物や生活の様子などを勉強します。
単純に暗記しておけば良い内容もありますが、理屈を覚えなければいけない内容もあります。
その代表的なものが「時差」と「気候」です。
下の記事を読めば時差の問題がよくわかるよ。
下の記事には日本の気候のことが詳しく書かれておるぞい!
時差や気候の問題は、解き方や考え方を理解さえしてしまえば楽勝なんですが、あきらめてしまっている人も結構います。
でも諦めるのはまだ早いです!
日本海側の気候ってどうして冬の降水量が多いの?
瀬戸内の気候ってどうして一年を通して降水量が少ないの?
悩んでおるようじゃのブタオくん。答えを簡単に言ってしまえば下に書いておる通りじゃが、その仕組みをきちんと理解しておくことが大事じゃの。
冬に北西から吹く湿った季節風の影響を受けるため。
夏の季節風は四国山地に、冬の季節風は中国山地にさえぎられるため。
今回は「日本の気候」の中でも特によく出題される「日本海側の気候」と「瀬戸内の気候」の特徴について、季節風と降水量の関係からわかりやすく解説します。
日本の6つの気候の特徴(簡単にまとめます)
まずは日本の6つの気候区分について簡単にまとめました。上の地図と雨温図の①~⑥が下の表の①~⑥です。
番号 | 気候名 | 特徴 |
---|---|---|
① | 北海道の気候 | 冷帯(亜寒帯)で夏は涼しく、冬の寒さが厳しい。 降水量は比較的少ない。 梅雨や台風の影響をほとんど受けない。 |
② | 日本海側の気候 | 冬に日本海側(北西)から吹く季節風の影響で、冬の降水量が多い。 |
③ | 太平洋側の気候 | 夏に太平洋側(南東)から吹く季節風の影響で、夏の降水量が多い。 |
④ | 中央高地(内陸性)の気候 | 夏と冬の気温差が大きい。 降水量は比較的少ない。 |
⑤ | 瀬戸内の気候 | 中国山地と四国山地が季節風をさえぎるため、降水量が少ない。 |
⑥ | 南西諸島の気候 | 亜熱帯気候とも呼ぶ。1年を通して気温が高い。 降水量が多い。 台風の影響を受けやすい。 |
雨温図中の矢印は雨温図から気候区分を判断するときのポイントです。詳しくは「日本の6つの気候区分を雨温図から判断!ポイントを覚えれば簡単です」をご覧ください。
これを見ると、日本海側の気候は冬の降水量が多いことと、瀬戸内の気候は一年を通して降水量が少ないことがわかるじゃろう。
うん。それはわかったんだけど、何でそうなるのか本当に僕でもわかるの?
「雨(雪)が降る・降らない」には風の影響が大きく関わってきます。
風と雨(雪)の関係
なぜ雨が降るのかというと、地面や海から蒸発した水分が高いところまで上がると雲を作ります。
そして、水滴や氷の粒が雲の中で大きくなると雨や雪となって降ってきます。
つまり、水蒸気を含んだ空気(風)が高いところに上がっていくような場所では雨や雪が降りやすいんです。
では問題じゃブタオくん。雨や雪を降らせた後の空気(風)の水分はどうなり、どんな空気(風)になるかわかるかの?
え?・・・雨や雪を降らせたから・・水分がなくなって・・・
わかった!乾燥した空気(風)になるんだ!
下の図を見てください。
海の上を通った風は水分を含んだ風になります。
この風が、陸地・山にぶつかると上昇し雲を作ります。
すると、雨や雪を降るわけです。
そして、雨や雪を降らせた風は水分がなくなり、乾燥した風となって反対側に流れ込みます。
これを上の図に当てはめると、A地点は降水量が多くなり、B地点は降水量が少なくなります。
これが「風」と「雨(雪)」の関係です。
日本海側の気候が冬の降水量が多くなる理由
では、これを日本海側の気候に当てはめて考えてみます。
日本周辺は季節風が吹いています。
季節によって風向が変わる風を季節風と言います。日本周辺では、夏は南東(太平洋側)から吹き、冬は北西(大陸側・日本海側)から吹きます。別名モンスーン。
季節風は、夏は南東(太平洋側)から吹き、冬は北西(日本海側)から吹きます。
日本は山地や丘陵地の多い国です。海側から吹いてきた季節風は、日本列島に当たると上昇して雲を作ります。
そして雲から雨や雪が降り、水分がなくなった風が反対側に流れていきます。
この理由によって
夏は、太平洋側の降水量が多くなり、日本海側が乾燥しやすくなります。
冬は、日本海側の降水量が多くなり、太平洋側が乾燥しやすくなります。
なるほど!だから日本海側の気候は冬の降水量が多いんだね。
図にするとこんな感じだね。
これが日本海側の気候が冬の降水量が多くなる理由です。
冬だから、雨ではなく雪がたくさん降ることが多いため、石川県や新潟県などの日本海側は豪雪地帯が多いです。
瀬戸内の気候が一年を通して降水量が少ない理由
次に、瀬戸内の気候に当てはめて考えてみます。
中国地方には中国山地が、四国地方には四国山地が東西にのびています。
下の図を見てください。図を見ながら夏と冬に分けて説明したいと思います。
夏の瀬戸内の気候
夏には、南東(太平洋側)からの湿った季節風が四国山地にぶつかります。
すると、太平洋側に雨を降らせます。
雨を降らせた風は、四国山地を越えると乾燥した風に変わります。
① つまり、夏は太平洋側の降水量が多くなり、瀬戸内や日本海側は降水量が少なくなるわけです。
冬の瀬戸内の気候
冬には、北西(日本海側)からの湿った季節風が中国山地にぶつかります。
すると、日本海側に雨(雪)を降らせます。
雨(雪)を降らせた風は、中国山地を越えると乾燥した風に変わります。
② つまり、冬は日本海側の降水量が多くなり、瀬戸内や太平洋側は降水量が少なくなるわけです。
上の文中の下線部①、②のことを合わせると
瀬戸内の気候は、一年を通して降水量が少ないということになります。
そういうことか!わかりやすいブー🐽。降水量が少ないことと、ため池や塩田が多いことは関係ありそうだね。
ほ~よくわかったのブタオくん。そうなんじゃ。降水量が少ないということは、瀬戸内は晴れの日が多いんじゃ。水不足に備えたてため池をつくったり、雨が少ないのを利用して塩田をつくったりしてきたんじゃ。
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まとめ
- 日本海側の気候は冬の降水量が多い。
- 瀬戸内の気候は一年を通して降水量が少ない。
この2つのことの理由として、季節風が降水量に大きな影響を与えることが分かりましたか?
次の理屈をしっかり覚えておきましょう。
- 季節風は、夏は南東(太平洋側)から吹き、冬は北西(大陸側・日本海側)から吹く。
- 海から吹いてきた季節風は、陸・山にぶつかると上昇して雲を作り雨や雪を降らせ、山を越すと乾燥した風になる。
日本の6つの気候のうち、日本海側の気候と瀬戸内の気候は本当によく出題されます。
特に、雨温図から読み取る問題と季節風との関連性を問う問題が多いので、きちんと理解しておきましょう。
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